インド海軍 2019 7 21

 日本のリベラル勢力の人たちは、
よく「対米従属外交は、けしからん」と言いますが、
そういう主張をするならば、
なおさら、アメリカが言い出す前に、
日本のタンカーを守るために、
海上自衛隊をペルシャ湾に派遣すべきでした。
 2019年7月18日の「JBpress」では、
北村淳氏が、このような記事を書いています。
 インドは、日本とノルウェーのタンカーが攻撃されると、
すぐさま、自国のタンカーを護衛するために、
駆逐艦と沿海哨戒艦をオマーン湾に派遣した。
 インドは、アメリカによる有志連合結成の呼びかけに先立って、
自国に関連するタンカーを護衛するために、
海軍艦艇をホルムズ海峡方面に派遣している。
 インド海軍は、アメリカ主導の有志連合には加わらず、
このまま独自の海上護衛作戦を実施することになると思われる。
 なぜならば、インド海軍は、アメリカが取り仕切っている、
多国籍海軍の海洋安全保障作戦には参加しておらず、自律的に行動しているからだ。
 もしも、ホルムズ海峡方面に自衛隊駆逐艦を派遣することになった場合、
必ずしも、アメリカ主導の有志連合に参加させなければならないという義務はない。
 日本がインドと同じく、アメリカ海軍の枠組みに組み込まれずに、
自律的に自国のタンカーを護衛することは十分可能である。
 この場合、インドと協定を結び、
インド海軍のムンバイ軍港を海上自衛隊派遣艦の補給拠点として使用することが理想的である。
(引用、以上)
 インドの外交には、「非同盟主義」を掲げ、
特定の国(超大国)に依存したくないという考え方があります。
 もし、対米従属外交が嫌と言うならば、
インドのように、自国のタンカーを守るために、
海上自衛隊を派遣すべきでした。
 アメリカに言われてから「どうしようか」を考えるようでは、
そもそも、頭の中には、国防政策はなかったと言わざるを得ないです。
 「平時に有事を考える」
これは、私が何度も繰り返し主張してきたことです。
 いざ有事になってしまうと、
どんなに優秀な人でも「異常心理」になってしまい、
冷静な判断が下せなくなります。
だからこそ、平時に有事を考えておく必要があります。

8800億円の請求書 2014 11 30

書名 アメリカはいつまで超大国でいられるか
著者 加藤 英明  祥伝社新書

 アメリカ人が、著者に、こう尋ねた。
「アメリカが中東の石油を必要としなくなったら、
今は、ペルシャ湾の自由航行を護るために、
第5艦隊を張りつけているが、撤収することになるね。
年間80億ドル(約8800億円)も、かかっている。
 アメリカが第5艦隊を引き揚げたら、
日本が、その後を引き受けてくれるかね?」
(以上、引用)
 アメリカでは、シェール革命により、
世界最大の「産油国」になることが有力視されています。
そうなると、ペルシャ湾に大艦隊を駐留させる理由がありません。
 さあ、日本は、どうする。
海上自衛隊の大艦隊をペルシャ湾に駐留させるのか。
それとも、毎年、必要経費をアメリカに支払うのか。
 もちろん、サウジアラビアも、
アメリカが第5艦隊を引き揚げたら、大いに困ることになるでしょう。
 なにしろ、ペルシャ湾を挟んで、
中東の軍事大国であるイランと対立しているからです。
 サウジアラビアは、人口が少ないので、
どう頑張っても、軍事大国になることはできません。
 もちろん、ひとつだけ方法があります。
サウジアラビアが、核兵器を開発するか買うという方法があります。
 ただし、核兵器を開発するにしても、買うにしても、
ハードルが高いものとなります。
 アメリカは、シェール革命がなくても、
「あんな危険なところから引き揚げたい」というのが深層心理でしょう。
 アメリカは、世界最大のキリスト教国です。
聖書の最終章には、恐ろしいことが書いてあります。
どう読んでも、人類にとって「最終的な戦争」は中東で起こると読めます。
 こうした聖書を子供の頃から読み聞かされてきたアメリカ人にとっては、
中東の石油を必要としなくなったら、早く引き揚げたい気分でしょう。



























































スマートフォンのトップページへ